鼻中隔矯正術について

鼻中隔矯正術について(びちゅうかく きょうせいじゅつ)

 

【適応】鼻中隔彎曲症 肥厚性鼻炎 アレルギー性鼻炎

 

【手術方法】

①鼻の穴からメスで鼻中隔粘膜を切開し、軟骨や骨を除去します。

除去後、切開創は皮膚用接着剤(血液製剤)で接着します。

 

②下鼻甲介切除術:鼻の穴から内視鏡と高周波凝固装置を挿入します。

高周波凝固装置を粘膜に挿入し、腫れた粘膜を収縮させます。

 

③鼻中隔矯正の効果を高めるために両側の鼻の中にスポンジを挿入し、鼻中隔を圧迫します。

併せてスポンジで止血を行います。術後4~5日目にスポンジを抜去します。

 

④手術は60~90分程度ですが、病状によってはそれ以上の時間を要することもあります。

 

【麻酔の方法】:当院では局所麻酔で行います。

局所麻酔:4%キシロカイン液と0.1%ボスミン液を浸したコメガーゼを鼻の中に挿入し、15分以上浸透させます。

その後、0.5%キシロカインE注射液もしくは0.5%キシロカイン注射液を粘膜に注射します。

 

【合併症、危険性とその対応】

①術中の大量出血:出血が多くなった場合にはやむを得ず手術を中止することがあります。

また、状況によっては救急処置の必要な施設に搬送します。

 

②術後の多量出血:出血部位を確認し、処置を行います。

コメガーゼやスポンジ(メローセル)での圧迫止血を行います。

また、止血剤の内服薬を処方する場合があります。

 

③鼻中隔穿孔:摘出した鼻中隔軟骨を穿孔に当てて、穿孔が残らないように処置します。

 

④創部の感染:感染を防ぐために術後に抗生物質の内服薬を処方します。

 

⑤創部の癒着:定期的に通院していただき、処置を行います。

癒着などを防ぐためには処置は不可欠です。

 

⑥その他偶発症が生じましたら内科的治療・外科的治療を含めた最善の治療を行います。

 

【入院の必要について】

当院では入院の必要はありません。日帰り手術になります。


鼻中隔矯正術術後の注意点

スポンジ抜去後1カ月は1週間に一度、鼻腔内の処置を行います。

手術後の経過により通院の時期は変わります。

医師の許可が出るまで運動・入浴・飲酒・喫などの日常生活に制限があります。